山下ふ頭再開発事案において市民意見を集約することは、当初より大変な困難が予想されました。一方で、多くの参加者は積極的に社会活動に参加しており、市民の様々な意見を整理し提案書にとりまとめることの意義と価値を十分認識しています。そこで山下ふ頭全域ではなく付け根の一部に市民が利活用できる共創エリアを想定し、4回の全体会議や分科会と個別の打ち合わせを織り交ぜながら、その施設および周辺のあり方に焦点絞り意見集約をはかりました。
しかし、本誌で山下ふ頭開発について完全に網羅することは難しいため、山下ふ頭再開発を再考するきっかけと位置づけました。同時に、行政や関連団体が参考にできる資料として提供するとともに、この取り組みを通じて学生や若者たちが市民参加の重要性に興味を持ち、周辺地域に影響を与える機会となることを期待しています。なお、提案を一部地域に限定したため、山下ふ頭全体に対する開発提案を掲載できませんでした。
なかにはEスポーツの世界大会が開催できる大型施設や、総合文化施設、農・海産物市場の建設などの規模の大きいものやユニークな提案も数多くありました。また、紙面の少なさから「共創エリア」に関する掘り下げた意見も取り込むことも十分出来ませんでした。そこでWeb上に新たに本プロジェクトのANNEX(本誌QRコードでリンク)を開設し、ここに本誌に掲載出来なかった意見や本誌提案の補足資料を随時アップすることにしました。そして、より多くの市民がアイディアを持ち寄り、協働する場として活用してだければと願っています。
最後に、本企画に協力してくださったすべての方々に心から感謝申し上げるとともに、山下ふ頭再開発が20年や50年先の将来の見据えた長期計画として、より多くの市民や次世代を担う子どもたちとともに共に歩み、発展していく地域になることを願っています。