エリアの設置と運営

想いがカタチになり、共にアイディアを生み出し、循環型ネットワークでつなげていく。

創る

山下ふ頭の開発は、 煩雑な認可作業やインフラ整備に膨大な資金が必要なため、一義的には行政主導で進めるべきだと考えています。また、共創エリアは公共性を重視している施設であるため、基本的な建物や付帯施設と資材は行政が負担すべきであるとの見解を持っています。ただし、計画段階で市民の意見を取り入れれば、必要な設備や優先順位が明確になり、結果的には事業費の大幅な軽減につながるでしょう。また、こうした経緯で作られた施設は市民の支持や賛同も得やすく、施設が完成して直ぐに機能させられるメリットもあります。

 

運営する

「共創エリア」には、異なるバックグラウンドやアイデアを持つ人々が集い、交流し、協力して新しいアイデアや企画を生み出す大きな機会があります。しかし、この潜在的な力を最大限に引き出すには、それに対応出来る運営体制が不可欠となります。 

 

そこで、施設完成後は行政と市民とで協議会を立ち上げ、定期的に会議を開催し中長期的な運営のあり方を検討するのが望ましいでしょう。その際、学生や若い世代、そしてファミリー層の意見を積極的に取り入れる雰囲気や体制づくりも重要です。

 

つなげる

各施設は分野ごとに資格を有した専門家や団体によって運営されます。そして、町内会的な組織に所属してもらい、共同で企画を練り相互扶助が可能な体制を築きます。市民活動を活発化させるためには、屋外のインフラ(電源など)を整備しテントやテーブルなど基本的な資材を備蓄することがとても重要です。金銭や労務の負担が軽減されることで必然的に施設利用者が増え、浮いた余力は企画を充実させることに充てることが出来ます。

 

また、各団体が一致協力できる社会的な課題をテーマに掲げ、その結束によるスケールメリットを生じさせ、企業参画や支援を得ることも重要です。さらに、図書や使用可能な不要品の寄贈を市民に募ることで参加意識を高め、施設内の清掃やイベントの準備は市民を巻き込むための手法として活用します。そして、定期的に魅力的なワークショップを開催し、訪問者を単なる利用者ではなく、共同で創り上げていく仲間として結びつけ、循環型の支援ネットワークを築くことが、「共創エリア」の運営において最も重要な要素です。

 

2023年4月頃の山下ふ頭
2023年4月頃の山下ふ頭