11月8日、横浜市開港記念館にて、みなとから考える横浜のまちづくりシンポジウム「カジノは止まったけれど~山下ふ頭、市民不在の大型開発でいいの?」を開催しました。
100人を超える参加者で会場はほぼ満席となりました。その中で1割は大学生の方たちでした。
椎名純子実行委員の司会進行の冒頭で始まり、このシンポジウムのきっかけとなった「みんなの山下ふ頭に○○があったらイイナ」プロジェクトの動画をまず最初に鑑賞しました。
実行委員の清原理から開会の趣旨を説明した後に、シンポジウムの進行役の角野渉実行委員の進行で、大方潤一郎東京大学名誉教授と坪郷實早稲田大学名誉教授によるレクチャーと参加市民との議論を実施しました。
大方潤一郎氏は都市計画の視点から、市民による市民のための市民の集う空間の創生を「都市コモンズの再生」の文脈で、山下ふ頭でどのように進めるかとその方法論について提起いただきました。そもそも市有地なので、市民の財産であり、市民福利厚生の向上のために活用すべきだと話されました。テーマパークではなく、パブリック・オープンスペースが望ましいとの観点です。市民共有の資産(コモン)として自由で自然豊かな空間にとのことでした。
市が実施している検討委員会でも、論点の異なる複数案を市民に提示して市民と議論するのが欧米で一般的に行われているので、早急に一本化を進めることへも警笛を主張されていました。
坪郷實氏は政治学の視点から、政治への参加として、「選挙への参加」と「政策決定への参加」の二つが重要であること。市民参加を進めるために、自治体の再構築と自治体議会改革が必要であること。「市民参加のまちづくり」の論点として、何のためのまちづくりかが重要で、ますます多様化する市民の生活保障をいかに実現するかが焦点だと。市民主体の討議の場として、無作為抽出の市民による討議会など、公開性、透明性、討議・議論の場をつくることが必要だと提起いただきました。
会場からも活発な意見や提起をいただき活発な熟議の場となりました。最後に主催者を代表して中村寛三実行委員からこの市民の声を市の検討委員会に届けたいと総括があり、盛況の中、閉会となりました。
ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました!これからも引き続き、市民が主役の、そして持続可能なまちづくりの実現を目指して一緒に頑張りましょう!
シンポジウムの動画公開中です!ぜひご覧ください!
◆開催日時:11月8日(金) 19:00~21:00 (18:30受付開始)
◆会 場:横浜市開港記念会館 1号室(横浜市中区本町1-16)
2024年2月「みんなの山下ふ頭に〇〇があったらイイナ」プロジェクトに結集した300人超の市民有志は、「市民が考え、市民がはぐくむ、山下ふ頭の未来」と題する提言書を発表し、反響を呼びました。
「市民のための山下ふ頭シンポジウム実行委員会」は、8月下旬、その提言書をもっと多くの方に知ってもらい、それをたたき台にして、これからの山下ふ頭、横浜のまちづくりを市民の皆さんと一緒に考え、「市民参加」のまちづくりを協力して進めることを目指して発足いたしました。
実行委員会のメンバーはみな普段、別の仕事をしている普通の一般市民ですが、「横浜が大好き、もっとすみよいまちにしたい、横浜を通して社会や環境を良くしたい。」など、様々な思いで参加しています。😊
山下ふ頭は、ベイブリッジの内側地区に残された貴重な「横浜市民の共有財産」です。その50年、100年後のあり方を決めるため、この1年、「山下ふ頭再開発検討委員会」で審議され、年内に計画の方向性が決まる可能性があります。しかし、カジノを止めたはずなのに、再び大型商業施設やテーマパークなど、市民不在の大規模開発の「方向性」が決まろうとしています。それは持続可能なまちづくりになるのでしょうか?
私たち市民が生活の豊かさを実感できる場所になるでしょうか?私たち市民はもう一度大きく声をあげるべきではないでしょうか?
2024年春、「みんなの山下ふ頭に〇〇があったらイイナ」プロジェクトに結集した300人超の市民有志は、「市民が考え、市民がはぐくむ、山下ふ頭の未来」と題する提言書を発表し、反響を呼びました。これをたたき台に、今回のシンポジウムではゲストスピーカーに大方潤一郎先生を迎え、知見も得ながら市民が大いに議論し、歴史的転換期にふさわしいまちづくりの「方向性」を共有、発信したいと思います。
シンポジウムに集い、ご一緒に「市民参加」のまちづくりを一歩進めませんか?
大方 潤一郎(おおかた・じゅんいちろう)
1954年生まれの都市計画の専門家です。東京大学で都市工学を学び、1982年に博士課程を中退し、同大学で助手としてキャリアをスタートしました。その後、横浜国立大学の建築学科で助手・助教授を務め、1996年からは再び東京大学で都市工学科の助教授、教授を歴任しました。2019年には明治大学で特任教授を務め、現在は東京大学の名誉教授です。
専門分野は都市計画や都市デザイン、まちづくり条例などで、著書には「協議型まちづくり」や「地方分権時代のまちづくり条例」があります。
また、横浜市や鎌倉市、横須賀市、熱海市などで都市計画に関する審議会の会長を務めるなど、数々の都市計画の重要な役割を担われてきました。
坪郷 實(つぼごう みのる)
早稲田大学名誉教授。専門は政治学で、特に比較政治や市民社会に関する研究を行っています。NPOまちぽっとや一般社団法人市民セクター政策機構の理事も務め、市民参加や自治体改革に積極的に取り組んでいます。最近の著書には『環境ガバナンスの政治学――脱原発とエネルギー転換』(2018年、法律文化社)や、「市民活動とアドボカシー」(2024年7月号『生活協同組合研究』)などがあります。
角野渉(かどの・しょう)
横浜を拠点として建築界やまちづくりで活躍する一級建築士です。2007年に東京都立大学で建築学科を卒業後、首都大学東京(現:東京都立大学)大学院で建築学をさらに深め、博士号を取得。その後、2013年に一級建築士事務所「kadono design NODE(カドノデザインノード)」を設立し、代表として活動しています。
実務の現場や学術的な研究を進める一方で、明治大学や東京都立大学で講師としても教鞭をとっています。また、横浜市や海外諸都市でのまちづくりに携わり、歴史的建築物の利活用や災害復興プロジェクトにも貢献。研究では、東アジアの港湾都市での建築デザイン手法や都市文化の継承に関する研究が日本学術振興会の科研費に採択されるなど、国際的な視野で活動を展開しています。
著書に「建築転生から都市更新へ -海外諸都市における既存建築物の利活用戦略」(日本建築センター)などがあり、また所属NPOとして「ソトノバ・アワード Future Dream賞」を受賞するなど、都市に根ざした研究や活動が高く評価されています。
◆開催日時:11月8日(金) 19:00~21:00 (18:30受付開始)
◆会 場:横浜市開港記念会館 1号室(横浜市中区本町1-16)
◆資料代:1,000円 ※学生無料
◆事前申し込み・お問い合わせ先
【電話】090-8647-4942 (担当:中村)
【参加申し込みフォーム】
【主 催】市民のための山下ふ頭シンポジウム実行委員会
【協 力】みんなの山下ふ頭に〇〇があったらイイナプロジェクト
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