そこで、市民が利用しやすくかつ潜在的な価値の高い提案を市民自身から生み出すために、「みんなの山下ふ頭に○○があったらイイナ」プロジェクトを始動させました。これが、山下ふ頭の一角に横浜市民活動の拠点を作るアイディア、市民“共創エリア”の創設です。しかし、市民の側から提案するといっても、考え方の相違から方向性すら定まらず提案に至らない話は良く聞きます。ご多分に漏れずこのプロジェクトも、壮大なアイデアから観念的なものまで幅広い意見が出され、例外ではありませんでした。この野心的なこころみは、当初から常に試行錯誤の連続でした。
そこで、まず会議の初期段階でこのプロジェクトの目標を設定し、それに合致する案件を徐々に絞り込みました。内容を精査した後、全体会議で概要の合意を取り付け、その後は各分野の専門知識を有する参加者に、代表としてまとめて頂きました。バラバラな市民の意見とりまとめるこの手法はとても有効で、行政が市民の意見を取り入れるための有効な手段となるでしょう。
先人の知に学ぶことはあっても、もはや前例に縛られる必要はありません。
それは、“山下ふ頭の開発は未来のはなし”なのですから・・・。
企画と実行力を備えた人達の提案である“市民共創エリア”の構想は、市民活動を基軸としたシナジー効果生む“知の広場”として持続的に機能し、これから求められる社会機構のモデルになると確信しております。行政対市民の対立の構造ではなく、市民でもある市職員と対話を重ね、横浜の歴史を、価値を、未来に織り込み込み、もっとその先の未来を、共に少しずつ一緒に創造できたら素敵だと考えています。